錐体路と錐体外路の違い、自分の覚え方を書いておきます。
覚え方なので、詳しく知りたい方は本などで調べてみてください。
では、さっそく結論から言います。
錐体路:大脳皮質の一次運動野(上位モーターニューロン)から筋肉までの経路
(力を入れる時に使う経路)
錐体外路:大脳基底核から大脳皮質の上位モーターニューロンまでの経路
(身体のバランスを保つ時に使う経路。身体を倒れない程度に、適度にリラックスさせる。)
です。
これを簡潔に説明しているサイトがあるので、ぜひ見てみてください。
とてもシンプルにまとめられているのですが、シンプルすぎるので、詳しく説明していきます。
錐体路
錐体路は力を入れるための命令が伝わる経路です。
その命令を出す上司にあたるのが、一次運動野(上位モーターニューロン)です。
一次運動野はココ!

中心溝という、脳のシワの一番大きいやつの前側にある場所です。
そして、この圧倒的上司である一次運動野から、部下である筋肉へ命令が伝わる経路が錐体路です。
一次運動野から命令が脊髄を通って下降し、下位モーターニューロンを通って筋肉に命令が伝わり、力が入ります。
ちなみに、錐体路障害というのは、この命令の経路のどこかが途切れる疾患のことです。
ALSが有名ですよね。ALSは脊髄前角という、脊髄から下位モーターニューロンが出てくる部分が障害される疾患です。
錐体外路
錐体外路は、倒れない程度に、身体を適度にリラックスさせるための命令を伝える経路です。
倒れない程度に身体を適度にリラックス、ってわかりにくいですよね。
たとえば、テニス界のレジェンド、フェデラー

超高速なボールを打っているはずなのに、身体を見ると余計な力が入っているように見えませんね。
周りにスポーツが天才的にうまい人がいる場合は、その人を見てみてください。なぜか立っているだけでオーラがありませんか?
それは、姿勢がいいとか、筋肉がある、というのもあるでしょうが、適度なリラックスが超絶うまいというのも一因だと思います。
スポーツの試合に出たことがある人はわかると思いますが、試合中に力まないって才能ですよね。この、錐体外路がうまく使えているということと、運動神経が良いということは関係があると考えられています。
適度なリラックスがわかってもらえたところで、錐体外路を使って命令を出す上司を紹介します。
大脳基底核です
この大脳基底核が命令を出す部下は、先ほど錐体路で出てきた一次運動野です。つまり、大脳基底核は筋肉にとって、上司の上司 。社長のような存在と考えればいいと思います(笑)
長くなりましたが、大脳基底核(社長)が、一次運動野(上司)に命令を出す経路が錐体外路と考えるとわかりやすいと思います。
錐体外路がやられた時に出る症状が錐体外路症状と言います。
とくに、社長の大脳基底核(の中の黒質)がやられる疾患が有名で、パーキンソン病があります。パーキンソン病だと、適度なリラックスが苦手になり、安静時振戦といって、リラックスしているときにも筋肉が震えてしまいます。
ちなみにですが、パーキンソン病について説明した記事も書いています。よければぜひ読んでみてください!
まとめ
大脳基底核(社長)→錐体外路→一次運動野(上司)→錐体路→筋肉(ムキムキ系平社員)
と覚えると覚えやすいのかなと思います!
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