厚生労働省の国民生活基礎調査によると、腰痛は男性では1番目、女性では2番目に多い訴えです。
年齢別でも、若い20代から訴えが大きくなっています。
この記事を書いている私は、小学3年生のころからの腰痛持ちです😭
このように腰痛は、若い人から年の人まで、どんな人でも経験する可能性がある症状です。
(厚生労働省 国民生活基礎調査より改変)
今回はそんな腰痛の種類と原因を紹介します

腰痛には特異的腰痛と非特異的腰痛の2つがあります。
いきなり聞きなれない言葉かもしれませんが、わかりやすく言い換えてみます。
特異的腰痛:原因がはっきりわかっている腰痛
非特異的腰痛:原因がはっきりしない腰痛
「原因がはっきりせんのかい!😤」と思った方もいらっしゃると思いますが、実はそうなんですね。その理由もあとで紹介しますね。
まず、特異的腰痛について説明します。
先ほども言った通り、原因のはっきりしている器質的な腰の障害によって起こる腰痛です。「器質的な障害」というのは、体の一部または全体に傷がついていることで痛みが生じている状態です。
例えば、腰椎椎間板ヘルニア、腰椎すべり症、脊柱管狭窄症、腰椎圧迫骨折などです。また、脊髄や脊椎(背骨の神経、骨)に腫瘍ができたり、感染症が起きることによっても痛みが生じます。
気になる方もいると思うので、それぞれを詳しく説明している日本整形外科学科学会のページのリンクを下に貼っておきますね。
このような状態は、病院/クリニックで検査、治療を行う必要があります。もし腰痛が我慢できない痛みや横になっていても続くような痛みであれば、整形外科に早めに受診してみてください。
腰椎椎間板ヘルニア:https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/lumbar_disc_herniation.html
腰椎すべり症:
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/spondiyolysis.html
脊椎管狭窄症:https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/lumbar_spinal_stenosis.html
腰椎圧迫骨折:
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/vertebral_compression_fracture.html
次に、非特異的腰痛について説明します

多くの方の腰痛がこの原因がはっきりしない非特異的腰痛です。ちなみに私の腰痛もこれです😭
1992年の研究(Deyo RA,et al:JAMA,1992)ではレントゲン画像からの診断で特異的腰痛(原因のはっきりしている腰痛)が約15%、非特異的腰痛が85%とされていました。
原因がわからない人の方が5〜6倍も多いのですね!
そんな非特異的腰痛ですが、長年の研究によって少しづつ原因も明らかになってきました。
最近の研究(Suzuki H,et al:Plos One,2016)によると、非特異的腰痛の原因は、
1、筋/筋膜性:筋肉や、筋肉を包む膜が原因。
2、椎間関節性:背骨の骨の間の関節が原因。体を反らした時に痛くなりやすい。
3、椎間板性:脊椎の間にある椎間板が原因。体を屈める時に痛くなりやすい。
4、仙腸関節性:骨盤にある関節が原因。痛む箇所がお尻に近い。片足立ちで痛みが出やすい。
5、心因性:腰痛と精神的なストレスは深く影響すると言われており、腰痛の慢性化につながりやすい。
その他にもありますが、主な原因と特徴はざっとこんな感じです。
原因わかるじゃん!と感じるかもしれませんが、厄介なのが[5]の心因性/精神的ストレスです。本当に厄介なんです😭
例えば、少し疲れていた時に重たいものを運んだとします。その時に筋肉が原因で腰が痛くなってしまいました。上で言うと、[1]の原因ですね。
この時に筋肉を休めたりして治れば良いのですが、痛めた時に「重たいものを運ぶと腰が痛くなる」というのを頭が覚えてしまうことがあります。
重たいものを運ぶと腰が痛くなる、というのを頭が覚えてしまうと、「重たいものを運ぶこと」自体が精神的ストレスとなり、重たいものを運ぶたびに筋肉の問題がなくても腰が痛く感じてしまいます。
これが腰痛の原因がはっきりしない理由の一つです。
「そんなこと言われても腰が痛くなったらどうしたらいいの?」って感じですよね。
次は、解決策について説明します!

解決策は大まかに3つあります。
1、痛くない範囲で体を動かす。
2、痛みを気にせず、痛くない時に注目してみる
3、しっかり睡眠をとる
こんなことなのって感じですが、腰痛持ちの理学療法士の私もやっています!
どれも今すぐできることですよね!
原因のはっきりしない腰痛はそんなに怖がる必要はありません。逆に怖がる方が悪化していきます。痛くない体の動きを探してみたり、痛みを忘れているタイミングに気をつけると、痛くなってもそれをしておけば楽に過ごせることが増えていきます。痛みをコントロールできれば心配はありません。
特に睡眠は大事です。睡眠をとらないとストレスや疲労がたまり、心因性の腰痛が増えてしまいます。
また、睡眠が少ないと、横になっている時間が少ないので、腰を休める時間が少なくなって、腰への負担が多くなってしまいます。
腰痛には、怖がらず、しっかり体調を整えることが大事です。
腰痛とうまく付き合っていきましょう!
原因のはっきりしない腰痛でお悩みの方は、リハビリ施設のある整形外科を受診されることをオススメします。リハビリ施設では、理学療法士が対応してくれますよ。
また、このサイトの質問フォームからもお悩みを受け付けています。気軽に利用してください😋
痛くない体の動きの探し方や、良い睡眠のとり方など、今後こちらで紹介しようと思いますので、また覗いてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございます!